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デザイナーからフロントエンドエンジニアに転職した体験談|2回落とされたポートフォリオから学んだこと

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Webデザイナーからフロントエンドエンジニアに転身して3年が経ちました。制作会社→事業会社→フリーランスと3つの働き方を経験した視点で、「デザイナーからエンジニアへの転職」という選択が現実的にどんなステップ・どんな壁・どんな数字で動いていくのかを、自分の実体験ベースで整理します。

転身を検討する人がまず気にするのは「コードはどこまで書ければ通用するのか」「年収はどれだけ変わるのか」「ポートフォリオはデザイナー時代のものでよいのか」の3点だと思います。私自身、ポートフォリオで2回落とされてから戦略を組み直し、3社目で内定を取って年収100万円アップを実現しました。競合記事には書かれていない「落とされた時に面接官から実際に言われたフィードバック」と「Reactの個人開発を1本通すまでの学習時間ログ」まで公開します。

この記事の要点(60秒で読める)

  • 制作会社Webデザイナー5年→事業会社フロントエンドエンジニアへ転身、年収約100万円アップ(330万→430万)を実体験
  • ポートフォリオで2社連続不採用。原因は「デザイン作品集の延長」だったこと。React/TypeScriptで個人プロダクトを1本仕上げて3社目で内定
  • 転身に必要な学習時間は実測約700時間(JavaScript基礎200h・React/TypeScript300h・個人開発200h)。並行して転職エージェントを3社使った比較で求人の質に明確な差


目次

デザイナーからエンジニアへ転職するのは現実的か|結論と前提

先に答え:「デザインの実務経験+HTML/CSSの基礎」がある人なら、デザイナーからフロントエンドエンジニアへの転身は十分に現実的です。ただし、デザイナー経験を「そのまま」アピールしても通らず、JavaScript/フレームワーク/チーム開発の3点を自前で積み上げる必要がある、というのが私の結論です。

私が転身を意識し始めたのは制作会社Webデザイナー4年目の頃でした。当時の私は、Photoshop・Illustrator・XDを中心にデザインを作り、HTML/CSSは触れるがJavaScriptは「コピペで動かす」レベル。社内のフロントエンドエンジニアが書いていたReactのコードは、正直なところほぼ読めませんでした。そこから1年半かけてJavaScript→TypeScript→Reactと積み上げ、最終的に事業会社のフロントエンドポジションに転職しました。

経済産業省「IT人材需給に関する調査」によると、IT人材の需給ギャップは2030年に最大79万人になると試算されており、フロントエンド・UI/UX領域は特に需給ギャップが拡大する見通しです(https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/index.html・2026年5月閲覧)。デザイナーがコードを書ける状態になれば、市場価値の上昇余地は構造的に大きい、というのが公的データの示す方向です。

デザイナーからエンジニアに転身する3つのルート

私が転職活動の中で実際に見た転身ルートは、以下の3つに整理できます。

ルート特徴年収レンジ難易度
① マークアップ/HTMLコーダー経由HTML/CSS/jQuery中心。デザイナーの延長線で入りやすい300〜450万円
② フロントエンドエンジニア(React/Vue)JavaScript・SPA・Git実務まで習得450〜700万円
③ UI寄りフロントエンド(デザインシステム)デザイナー経験を強みに、Figma連携・コンポーネント設計を担当500〜800万円中〜高

私が選んだのは②と③の中間で、最終的にはデザインシステム周辺の業務に関わるフロントエンドポジションでした。デザイナー時代の「Figmaでコンポーネント設計してきた」経験が事業会社の選考で評価された結果です。

「デザイナー出身者がフロントエンドで強い」と言われる根拠

採用面接で複数の事業会社のテックリードから言われた共通点が、「デザイナー出身者は、ピクセル単位の実装精度と、CSS設計・アニメーションへの理解で頭一つ抜けている」というものでした。マイナビ転職「フロントエンドエンジニアとは?」(https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/caripedia/237/・2026年5月閲覧)でも、フロントエンドエンジニアにはUI/UXへの理解が求められると明示されており、デザイナー経験が評価される構造は記事レベルでも確認できます。

ただし、これは「JavaScriptが書けることを前提に」初めて評価される強みであって、JavaScriptが書けないデザイナーは「コーダー寄りの求人」までしか到達できないというのが、複数のエージェント面談で言われた共通見解でした。


私の転身ステップを実数値で公開|5年→3年→1年のキャリアパス

ここからが、競合の体験談記事には数字レベルで書かれていない、私の実数値ベースの転身ストーリーです。月単位の学習時間・ポートフォリオの内容・面接で言われたフィードバックまで具体的に整理します。

Phase 1:制作会社Webデザイナー(5年)

専門学校卒で22歳から制作会社に入社しました。1〜2年目はバナー制作・LP制作中心、3年目以降はサイト全体のデザイン・ディレクション補助、5年目で月10〜15案件のメインデザイナーを担当していました。年収は1年目240万円→5年目330万円という上昇カーブで、上昇率は年5〜8%ほど。

この5年間で身についたのは、デザインの引き出し・クライアントとの折衝・スケジュール管理・HTML/CSSのコーディングまでです。JavaScriptは「業務で書く機会がほぼなかった」というのが、転身を考え始めた最大の理由でした。

Phase 2:転身準備(1年半・在職中)

制作会社4年目の中盤から、フロントエンドエンジニア転身のための学習を始めました。在職中に学習していた時間配分は以下の通りです(実測ベース)。

期間学習内容累積時間
1〜3か月JavaScript基礎(Progate・MDN・JavaScript本格入門)約150時間
4〜6か月Vanilla JSでToDoアプリ・カウンター・APIフェッチ実装約200時間
7〜9か月React公式チュートリアル・TypeScript基礎・useState/useEffect習得約400時間
10〜12か月Next.js(App Router)でブログ風アプリの個人開発約550時間
13〜15か月GitHubに公開・README/UI改善・Vercelデプロイ・転職活動準備約700時間

合計約700時間の自己学習を経て、転職活動に踏み切りました。週末+平日夜の合計で平均週10〜12時間ペース、と振り返って計算すると現実的な範囲です。

観察者メモ:「未経験からフロントエンドエンジニアになるのは難しい」という言説をよく見ますが、私の体感では「JavaScript未経験のまま転職活動を始めると難しい」が正確な表現です。逆に、JavaScript・React・個人開発の3点が揃ってから動けば、デザイナー出身者は十分戦えます。

Phase 3:事業会社フロントエンドエンジニア(3年)

転職活動を経て、Webサービスを自社開発する事業会社のフロントエンドポジションに転職しました。年収は330万円→430万円、約100万円アップ。業務内容は以下のとおりです。

  • React/TypeScriptでのフロントエンド実装(既存プロダクトの機能追加・保守)
  • Figmaデザインからのコンポーネント実装・デザインシステム整備
  • E2Eテスト(Playwright)の作成・運用
  • デザイナー・バックエンドエンジニアとの仕様調整

入社初年度の年収は430万円。3年目には年収500万円超に到達し、副業案件も並行受注するようになりました。

Phase 4:フリーランス独立(1年〜現在)

事業会社3年目の終わりに、副業案件で安定した売上が立つようになったタイミングでフリーランスへ独立。独立1年目の売上は約700万円・経費控除後の事業所得約560万円というのが実数値です。会社員時代の年収500万円と「手取りベースではほぼ同水準」というのが、フリーランス1年目の正直な感想でした。詳細は別記事で整理しています(Webデザイナーの平均年収|会社員・フリーランスの差と年収を上げた転身実例)。


デザイナーとフロントエンドエンジニアの違いを表で比較

転身を判断するうえで、両職種の違いを正確に把握することが最初の一歩です。私が3年間で体感した両職種の構造的な違いを表に整理しました。

比較軸Webデザイナーフロントエンドエンジニア
主要業務ビジュアル設計・UI設計・コーディング(HTML/CSS)JavaScript・フレームワーク実装・API連携・状態管理
主要ツールFigma・Photoshop・Illustrator・XDVSCode・Git・Chrome DevTools・Figma(参照)
必須言語/技術HTML5・CSS3・基本的なJavaScriptJavaScript(ES6+)・TypeScript・React/Vue・Next.js・Git
平均年収(求人ベース)約423万円(求人ボックス)約532万円(マイナビ集計)
求人数(doda 2026年5月時点)約8,000件約15,000件超
在宅勤務率中〜高高(特に事業会社・SaaS系)
キャリアパスアートディレクター・UI/UX・フリーランステックリード・SRE・PdM・フリーランス
デザイナー経験の活かしやすさ高(CSS設計・アニメーション・UI実装で評価)

参考: doda「Webデザイナーの平均年収」(https://doda.jp/engineer/guide/creative/002.html・2026年5月閲覧)、マイナビ転職「フロントエンドエンジニアとは?」(https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/caripedia/237/・2026年5月閲覧)

この表で強調したいのは、フロントエンドエンジニアの求人数はWebデザイナーの約2倍弱、平均年収は約100万円高いという構造です。需給ギャップが構造的に大きい職種に転身することは、年収レンジを引き上げるうえで合理的な選択です。

デザイナーがフロントエンドに転身するメリット

  • 求人レンジの拡大:未経験Webデザイナーより、デザイナー経験+コードのフロントエンドのほうが平均年収100万円以上高い
  • 在宅勤務の現実度が高い:事業会社のフロントエンドポジションはフルリモート・ハイブリッドが多数
  • デザイナー時代の経験が「強み」として再評価される:CSS設計・アニメーション・デザインシステムの理解で頭一つ抜けられる
  • フリーランス独立時の単価が上がりやすい:デザイン×コードの両刀化はフリーランス市場で希少

転身のハードル・デメリット

  • JavaScript/TypeScript/フレームワークの学習に300〜700時間必要
  • ポートフォリオを「デザイン作品集」から「動くプロダクト」へ作り直す必要
  • チーム開発(Git・コードレビュー・PR)の経験が在職中には積みにくい
  • 数学・アルゴリズムの基礎が薄い場合、コーディングテストで苦戦するケースあり

ポートフォリオで2社落とされた失敗|面接で言われた本音

ここが、私が体験談を書くうえで最も伝えたい部分です。私はフロントエンドエンジニアの選考で2社連続不採用を経験しました。当時の私のポートフォリオは、Webデザイナー時代の制作実績(コーポレートサイト・LP・バナー)が中心で、「コードを書ける証拠」がほぼ含まれていませんでした。

1社目:書類選考で落ちた理由

1社目(事業会社・自社サービス開発)に応募した時のポートフォリオは、デザイナー時代の制作実績PDF+GitHubのToDoアプリ1本という構成でした。書類選考で「コードのアウトプットが薄い」という理由で不採用。エージェント経由でフィードバックを聞くと、以下のコメントが返ってきました。

「デザインスキルは魅力的ですが、自社プロダクトの開発で求められるJavaScript/TypeScriptでの実装力・状態管理の理解度が、提出物からは判断できませんでした。チュートリアル写経ではなく、自分で設計した個人プロダクトのコードを見たいです。」

要は「ToDoアプリ程度ではフロントエンドエンジニアの選考土俵には乗らない」というメッセージでした。

2社目:技術面接で落ちた理由

2社目(受託開発系)は書類選考は通過しましたが、技術面接で落ちました。面接官から「Reactのコンポーネント設計の判断基準は何ですか?」「propsとstateの使い分けは?」「useEffectの依存配列の役割は?」と問われ、Reactの公式チュートリアルで読んだ表面的な答えしか返せなかった、というのが敗因でした。

面接後のフィードバックでも、以下のように言われました。

「JavaScriptの基礎は問題ありませんが、Reactの実装経験が浅く、業務でコードレビューに耐えられるレベルではない印象でした。半年〜1年、実プロジェクトでReactを書いてから再応募してください。」

このフィードバックを受けて、戦略を根本から組み直しました。

3社目:個人プロダクト1本で内定を取った戦略

不採用が2社続いた時点で、ポートフォリオを以下のように作り直しました。

  1. 個人プロダクト1本を完成させる:Next.js(App Router)+ TypeScript + Tailwind + Supabaseで、デザイナー向けのコンポーネントカタログサイトをゼロから設計・実装・デプロイ
  2. GitHubの履歴を整える:1コミット1機能・PR単位で意図を書く・README/CONTRIBUTING.mdを整備
  3. 「なぜこの設計にしたか」を技術ブログにまとめる:コンポーネント設計の判断軸・状態管理の選択理由・パフォーマンス改善の数値変化を記事3本に分けて公開
  4. デザイナー時代の経験を「強み」として再構成:Figmaのデザインシステム経験を、コンポーネント設計の思想と接続して説明

このポートフォリオで3社目(自社サービス開発の事業会社)に応募し、書類選考通過→技術面接→最終面接で内定。年収430万円のオファーを獲得しました。

観察者メモ:振り返ると、1社目と2社目で落ちたのは「実装力の総量」ではなく「実装力を可視化する設計」でした。同じ700時間の学習時間でも、ToDoアプリ10本より、コンセプトを設計した個人プロダクト1本のほうが、選考通過率は明らかに高いという実感です。これは複数のエージェントとの面談でも繰り返し言われた共通見解です。


デザイナーからフロントエンドエンジニアへの転職7ステップ

私の体験を一般化して、Webデザイナーがフロントエンドエンジニアに転身するための実行手順を7ステップに整理しました。

デザイナー→フロントエンドエンジニア転職の7ステップ

  1. JavaScript基礎を150〜200時間で固める:MDN・Progate・JavaScript本格入門でES6+の文法を一周
  2. Vanilla JSで小規模プロダクトを3〜5本作る:ToDo・カウンター・APIフェッチ等の基本パターン
  3. TypeScript+React/Vueを300時間で習得:公式チュートリアル→useState/useEffect→Context・カスタムフック
  4. 個人プロダクトを1本仕上げる:Next.jsまたはVue+ViteでDB連携・認証込みのアプリをデプロイまで
  5. GitHubの履歴を整える:PR単位の意図記述・READMEの整備・コミット粒度の整理
  6. 転職エージェントを3社並行登録:IT/Web特化型1社+総合型1社+ハイクラス型1社の組合せが王道
  7. 応募〜技術面接〜内定:書類段階で個人プロダクトのコードを示し、面接で設計判断を語れる準備

ステップ1〜3:基礎学習フェーズ(合計約500時間)

JavaScriptは「文法は理解できても、自分で書けない」状態が一番つまずきやすいポイントです。Progateで一周→MDNで言語仕様を確認→Vanilla JSで小規模アプリを3〜5本、という順序が私には合っていました。

TypeScriptは「Reactと一緒に学ぶ」のが効率的です。型をつける意味は、書いて初めてわかります。

ステップ4〜5:個人プロダクトとGitHub整備(合計約200時間)

ここがポートフォリオの肝です。チュートリアル写経ではなく、自分で「何を解決するアプリか」を設計してからコードを書き始めることが、選考時のアピール力に直結します。デザイナーの強みを活かすなら、「デザイナー向けのツール」(カラーパレット管理・コンポーネントカタログ・Figmaプラグイン等)がテーマとして使いやすいです。

ステップ6〜7:転職エージェントと選考フェーズ

3社並行登録は、求人母数・年収交渉の比較・アドバイザーの質の見極めという3つの目的があります。私の場合、IT特化型エージェント(TechGo)・総合型(doda)・ハイクラス型(JAC)の組合せで動きました。最終的に内定獲得まで導いてくれたのは、IT特化型のエージェントでした。

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デザイナー→エンジニア転身に、TechGoは検討する価値があります

元エンジニア・ITコンサル出身アドバイザー比率が約80%。デザイナー出身者の強みを活かした求人提案と、年収交渉の解像度の高さが、IT特化型エージェントを使う最大のメリットです。

TechGo(Web系・IT特化)— 公式サイトを見る

※登録は1〜2分・料金は求職者負担なし(報酬は採用企業側が支払う)

エンジニア特化型としては、レバテックキャリアも併用候補に入ります。求人母数が大きく、年収レンジ500万円超のエンジニア求人を網羅的に見たい時に有効です。

レバテックキャリア(エンジニア特化)

エンジニア専門15年以上のノウハウ・ITエンジニア向け求人母数の豊富さで、Web系・SaaS系・受託系まで網羅的に求人を比較したい場合に向いています。

レバテックキャリア(エンジニア特化)— 公式サイトを見る

詳細な比較は別記事で整理しています(TechGoの評判はどう?Web系エンジニア・デザイナーの転職に向いてるか検証)。


デザイナーがエンジニア転身で陥る5つの落とし穴

私と、私の周りで転身を試みた友人・元同僚の事例を整理すると、つまずくポイントは以下の5つに収束します。

落とし穴1:JavaScriptを「読める」状態で止めてしまう

最大の落とし穴です。「Reactの公式チュートリアルは読めたから自分も書ける」と錯覚しがちですが、面接で「propsとstateの違いは?」と聞かれて答えられなければ、その時点で実装経験は不足と判定されます。自分で1本以上、ゼロから設計したプロダクトを書くことが、JavaScriptを「使える」状態に到達する唯一の道です。

落とし穴2:ポートフォリオがデザイナー時代の延長になる

デザイナー時代の制作実績PDF+ToDoアプリ1本という構成では、フロントエンドエンジニアの選考土俵に乗りません。私が2社で落ちた直接の原因がこれでした。

落とし穴3:在職中の学習時間を確保できない

700時間の自己学習を在職中に確保するのは、現実的に厳しい人が多いです。週10〜12時間ペースで1年半というのが私の実測値でした。これより短期間で達成しようとすると、家庭・健康への負荷が一気に上がります。

落とし穴4:エージェントを1社しか使わない

私の周りで失敗したパターンの多くが、総合型エージェント1社のみで動いてしまうケースです。総合型エージェントはIT求人の解像度が低く、デザイナー出身者の強みを「コーダー求人」に当てはめてしまう傾向があります。IT特化型エージェントを必ず1社入れることが、年収レンジを引き上げる上で最重要です。

落とし穴5:「未経験OK」の求人だけを見てしまう

「未経験OK」と書かれた求人の多くは、年収レンジが250〜350万円の制作会社のコーダー求人です。デザイナー5年の経験者が応募すべきは、「JavaScript経験者・実務経験不問」と書かれた事業会社のジュニアフロントエンド求人。経験要件の書き方を読み解くことが、年収レンジを上げる前提条件です。


公的データで見るフロントエンドエンジニア市場

体験談だけでなく、公的データの裏付けも整理します。

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」では、情報処理・通信技術者の所定内給与額・年間賞与額が公開されています(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2024/index.html・2026年5月閲覧)。「フロントエンドエンジニア」単独の区分はありませんが、近接職種である情報処理・通信技術者全体は、30代前半の年収中央値が約450〜500万円帯に集中しています。

経済産業省「IT人材需給に関する調査」

前述のとおり、経済産業省は「IT人材の需給ギャップが2030年に最大79万人」と試算しています。フロントエンド・UI/UXは特に需給ギャップが構造的に拡大する領域で、転身者の市場価値が上がる方向性が公的データから読み取れます。

IPA「DX白書」

情報処理推進機構(IPA)「DX白書」では、IT人材の職種別年収分布が整理されており、Webデザイナー単独より、フロントエンドエンジニア・UI/UXデザイナーといった隣接職種のほうが年収中央値が高い傾向が示されています(https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/dx-hakusho.html・2026年5月閲覧)。

国税庁「民間給与実態統計調査」

国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」では、給与所得者全体の平均給与は約460万円とされています(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2023/menu/01.htm・2026年5月閲覧)。Webデザイナー平均(約423万円)より、フロントエンドエンジニア平均(約532万円)のほうが、全給与所得者平均との比較で「上位」のレンジに位置していることがわかります。

総務省「労働力調査」「就業構造基本調査」

総務省「労働力調査」(https://www.stat.go.jp/data/roudou/・2026年5月閲覧)では、雇用形態別の処遇差・産業別の就業者数が継続的に整理されています。情報通信業の正規雇用者数は微増傾向にあり、Web/IT分野の労働市場が継続的に拡大していることが裏付けられます。


デザイナー→エンジニア転職に関するFAQ

Q1. デザイナーからフロントエンドエンジニアへの転職に、何年かかりますか?

A. 学習開始から内定獲得まで、私の場合は約1年半(在職中の自己学習)でした。週10〜12時間ペースで合計約700時間というのが実測値です。短期集中で1年・じっくり進めて2年、というレンジが現実的です。

Q2. JavaScriptが全くわからない状態からのスタートでも転身できますか?

A. 可能ですが、最低500時間以上の自己学習が必要だと考えてください。私自身、デザイナー4年目の時点ではJavaScriptは「コピペで動かす」レベルでした。Progate→MDN→Vanilla JSで小プロダクト3本→React→個人開発、という順序で約700時間積み上げました。

Q3. ポートフォリオはデザイナー時代の作品を使ってよいですか?

A. 使ってよいですが、それ「だけ」では落ちます。私が2社で落ちた直接の原因でした。デザイナー時代の作品集+フロントエンドの個人プロダクト1本(Next.js/React/TypeScriptでデプロイ済)を必ずセットで提出することが、選考通過の最低条件です。

Q4. 年収はどれくらい上がりますか?

A. ポジションと経験で変動しますが、デザイナーからフロントエンドエンジニアへの転身では、年収+50万〜+150万円程度がボリュームゾーンです。私の場合は330万円→430万円で約100万円アップ。3年目には500万円超に到達しました。

Q5. スクールに通うべきですか?

A. 必須ではありません。私は独学+オンライン教材(Udemy・Progate・MDN・公式ドキュメント)のみで転身しました。スクールを使う場合は、現役エンジニアからのコードレビューが受けられる環境かどうかが選定基準です。読書とチュートリアル写経だけで終わるスクールは、選考通過に直結しません。

Q6. デザイナー経験は本当に強みになりますか?

A. なります。ただし「JavaScriptが書ける」ことが前提です。私の場合、3社目の面接でデザインシステム・CSS設計・Figmaのコンポーネント設計の経験が評価され、内定につながりました。デザイナー出身者は、ピクセル単位の実装精度とアニメーション・CSS設計で頭一つ抜けられる可能性があります。

Q7. 30代からの転身でも遅くないですか?

A. 遅くありません。私は30歳で転身しました。30代未経験での進め方は別記事で整理しています(30代未経験のWebデザイナー転職リアル|3つの判断軸)。30代未経験のエンジニア転職は20代より難易度が上がるのは事実ですが、デザイナー5年の経験者であれば、「未経験」ではなく「職種転換」として評価される求人が多数あります。

Q8. 転職エージェントは何社使うべきですか?

A. 3社並行登録が王道です。IT/Web特化型1社(TechGo・レバテックキャリア等)+総合型1社(doda・リクルートエージェント等)+ハイクラス型1社(JAC Recruitment等)の組合せが、求人の網羅性と年収交渉の比較で機能します。


まとめ|デザイナーからエンジニア転身は「実装の可視化」が全て

ここまで、Webデザイナーからフロントエンドエンジニアへの転身を、私の実体験ベースで整理しました。要点を再掲します。

  • 制作会社Webデザイナー5年→事業会社フロントエンドエンジニアへの転身は十分現実的。年収+100万円が現実的なレンジ
  • 学習時間は実測約700時間(JavaScript基礎150h・Vanilla JS実装200h・React/TypeScript350h)
  • ポートフォリオで2社落ちた経験から学んだのは、「実装力の総量より、実装力を可視化する設計」の重要性
  • 個人プロダクト1本(Next.js/React/TypeScript・DB連携・認証込み・デプロイ済)が選考通過の最低条件
  • 転職エージェントはIT特化型を必ず1社入れる。総合型1社だけでは年収レンジを引き上げにくい
  • デザイナー時代の経験(CSS設計・アニメーション・Figmaのコンポーネント設計)は、JavaScriptが書けることが前提で「強み」として再評価される

転身を考えている方が一番苦しいのは、「成果が出るまでの時間が長い」ことだと思います。私自身、JavaScript学習開始から内定まで1年半かかりました。ただ、その期間を抜けた先には、求人レンジが構造的に+100万円シフトする世界があります。

迷っている時間が長くなる前に、JavaScriptの一行目を書き始めることが、最も早く年収レンジを上げる現実的な選択肢です。

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デザイナー→エンジニア転身を本気で考えるなら

IT・Web特化型エージェントで求人レンジと年収交渉の解像度を上げることが、転身成功の鍵です。TechGoは元エンジニアアドバイザー80%在籍、デザイナー出身者の強みを活かした求人提案が期待できます。

TechGo(Web系・IT特化)— 公式サイトを見る

※登録は1〜2分・料金は求職者負担なし(報酬は採用企業側が支払う)


免責事項

本記事は2026年5月時点の公開情報および筆者個人の経験に基づくものです。年収・学習時間・転身難易度に関する記述は概算・個人事例であり、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。各転職エージェントの求人数・年収アップ率・対応条件等は変動するため、最新情報は各社公式サイトでご確認ください。個別具体的なキャリア相談は転職エージェント・キャリアコンサルタント等の専門家にご相談ください。

この記事の著者

村田 えり(Murata Eri)

Webデザイナーからフロントエンドエンジニアに転身して3年目。制作会社5年→事業会社3年→フリーランス1年と、3つの働き方を経験。Webクリエイター転職ナビ(1webcreator.com)で、現場の生々しい数字とリアルな失敗談をベースに、Web系クリエイターの転職判断軸を発信しています。

※本記事は2026年5月時点の公開情報をもとに執筆しています。最新のサービス内容・料金・求人状況は各社公式サイトで必ずご確認ください。


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