デザイナーからフロントエンドエンジニアに転職した体験談|2回落とされたポートフォリオから学んだこと

Webデザイナーからフロントエンドエンジニアへの転身を考えると、まず気になるのは「コードはどこまで書ければ通用するのか」「年収はどう変わるのか」「ポートフォリオはデザイナー時代のものでよいのか」の3点ではないでしょうか。

この記事では、制作会社Webデザイナー5年から事業会社フロントエンドエンジニアへ転身した実体験をもとに、ステップ・壁・数字を具体的に整理します。ポートフォリオで2社連続不採用になった原因と、そこからどう立て直したかまで踏み込みます。

競合記事には載っていない「落とされたときに面接官から実際に言われたフィードバック」と「Reactの個人開発を1本通すまでの学習時間ログ」まで公開します。

Webデザイナーからフロントエンドエンジニアへの転職は、年収330万→430万と約100万円アップも狙えます。ポートフォリオで2社落ちた構造的理由、学習約700時間の内訳、エージェント3社の使い分けを実例で整理します。

この記事でわかること

  • 制作会社Webデザイナー5年→事業会社フロントエンドエンジニアへの転身で、年収約100万円アップ(330万→430万)に届いた実例
  • ポートフォリオで2社連続不採用になった構造的な理由と、3社目で内定に変えた立て直し方
  • 転身に必要な学習時間の実測約700時間の内訳(JavaScript基礎・React/TypeScript・個人開発)
  • デザイナーとフロントエンドエンジニアの違いと年収レンジを求人データで比較
  • 転職エージェントを3社並行で使い分けた理由と、IT特化型を必ず1社入れる根拠

公的情報源: 経済産業省「IT人材需給に関する調査」(参照)/厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(参照

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目次

デザイナーからエンジニアへの転職は現実的か|結論と前提

結論から書きます。「デザインの実務経験+HTML/CSSの基礎」がある人なら、デザイナーからフロントエンドエンジニアへの転身は十分に現実的です

ただし条件があります。デザイナー経験を「そのまま」アピールしても通りません。JavaScript・フレームワーク・チーム開発の3点を自前で積み上げることが前提になります。

転身を意識し始めたのは制作会社Webデザイナー4年目の頃でした。当時はPhotoshop・Illustrator・XDでデザインを作り、HTML/CSSは触れるがJavaScriptは「コピペで動かす」レベル。社内エンジニアが書くReactのコードは、正直ほぼ読めませんでした。

そこから1年半かけてJavaScript→TypeScript→Reactと積み上げ、最終的に事業会社のフロントエンドポジションへ転職した、というのが実体験の流れです。

経済産業省「IT人材需給に関する調査」では、IT人材の需給ギャップが2030年に最大79万人になると試算されています(経済産業省「IT人材需給に関する調査」・2026年5月閲覧)。デザイナーがコードを書ける状態になれば、市場価値の上昇余地は構造的に大きいといえます。

デザイナーからエンジニアに転身する3つのルート

転職活動の中で実際に見た転身ルートは、大きく3つに整理できます。職種転換の方向性を決める最初の判断材料になります。

ルート特徴年収レンジ難易度
① マークアップ/HTMLコーダー経由HTML/CSS/jQuery中心。デザイナーの延長で入りやすい300〜450万円
② フロントエンドエンジニア(React/Vue)JavaScript・SPA・Git実務まで習得450〜700万円
③ UI寄りフロントエンド(デザインシステム)デザイナー経験を強みに、Figma連携・コンポーネント設計を担当500〜800万円中〜高

選んだのは②と③の中間で、最終的にはデザインシステム周辺を担うフロントエンドポジションでした。デザイナー時代の「Figmaでコンポーネント設計してきた」経験が、事業会社の選考で評価された結果です。

「デザイナー出身者がフロントエンドで強い」と言われる根拠

採用面接で複数の事業会社のテックリードから共通して言われたのは、「デザイナー出身者は、ピクセル単位の実装精度とCSS設計・アニメーションへの理解で頭ひとつ抜けている」という評価でした。

マイナビ転職「フロントエンドエンジニアとは?」でも、フロントエンドエンジニアにはUI/UXへの理解が求められると明示されており、デザイナー経験が評価される構造は記事レベルでも確認できます(マイナビ転職「フロントエンドエンジニアとは?」・2026年5月閲覧)。

ただし、これは「JavaScriptが書けることを前提に」初めて評価される強みです。JavaScriptが書けないデザイナーは「コーダー寄りの求人」までしか届かない、というのが複数のエージェント面談で得られた共通見解でした。

転身ステップを実数値で公開|5年→3年→1年のキャリアパス

ここからが、競合の体験談記事には数字レベルで書かれていない実数値ベースの転身ストーリーです。月単位の学習時間・ポートフォリオの中身・面接で言われたフィードバックまで具体的に整理します。

各フェーズで「何を身につけ、何が足りなかったか」を明確にしておくと、自分がどの段階にいるかを判断しやすくなります。

Phase 1:制作会社Webデザイナー(5年)

専門学校卒で22歳から制作会社に入社しました。1〜2年目はバナー・LP制作中心、3年目以降はサイト全体のデザイン・ディレクション補助、5年目で月10〜15案件のメインデザイナーを担当という流れです。

年収は1年目240万円→5年目330万円で、上昇率は年5〜8%ほど。この5年で身についたのは、デザインの引き出し・クライアント折衝・スケジュール管理・HTML/CSSのコーディングまででした。

JavaScriptは「業務で書く機会がほぼなかった」、これが転身を考え始めた最大の理由です。

Phase 2:転身準備(1年半・在職中)

制作会社4年目の中盤から、フロントエンドエンジニア転身のための学習を始めました。在職中の学習時間の配分は次のとおりです(実測ベース)。

期間学習内容累積時間
1〜3か月JavaScript基礎(Progate・MDN・入門書)約150時間
4〜6か月Vanilla JSでToDo・カウンター・APIフェッチ実装約200時間
7〜9か月React公式チュートリアル・TypeScript基礎・useState/useEffect習得約400時間
10〜12か月Next.js(App Router)でブログ風アプリの個人開発約550時間
13〜15か月GitHub公開・README/UI改善・Vercelデプロイ・転職活動準備約700時間

合計約700時間の自己学習を経て、転職活動に踏み切りました。週末+平日夜の合計で平均週10〜12時間ペース、と振り返って計算すると現実的な範囲です。

「未経験からフロントエンドエンジニアになるのは難しい」とよく言われますが、実感としては「JavaScript未経験のまま転職活動を始めると難しい」が正確です。JavaScript・React・個人開発の3点が揃ってから動けば、デザイナー出身者は十分に戦えます。

Phase 3:事業会社フロントエンドエンジニア(3年)

転職活動を経て、Webサービスを自社開発する事業会社のフロントエンドポジションに転職しました。年収は330万円→430万円で、約100万円アップ。主な業務は次のとおりです。

事業会社フロントエンドの主な業務
  • React/TypeScriptでのフロントエンド実装(既存プロダクトの機能追加・保守)
  • Figmaデザインからのコンポーネント実装・デザインシステム整備
  • E2Eテスト(Playwright)の作成・運用
  • デザイナー・バックエンドエンジニアとの仕様調整

入社初年度の年収は430万円。3年目には年収500万円超に到達し、副業案件も並行受注するようになりました。デザイナー時代の年収カーブと比べると、上昇の角度が明確に変わった実感があります。

Phase 4:フリーランス独立(1年〜現在)

事業会社3年目の終わりに、副業案件で安定した売上が立ったタイミングでフリーランスへ独立しました。独立1年目の売上は約700万円・経費控除後の事業所得約560万円が実数値です。

会社員時代の年収500万円と「手取りベースではほぼ同水準」というのが、フリーランス1年目の正直な感想でした。詳細は別記事で整理しています(Webデザイナーの平均年収|会社員・フリーランスの差と年収を上げた転身実例)。

デザイナーとフロントエンドエンジニアの違いを表で比較

転身を判断するには、両職種の違いを正確に把握することが最初の一歩です。3年間で体感した構造的な違いを表にまとめます。

結論を先に言えば、フロントエンドは求人数が約2倍弱・平均年収が約100万円高いという構造があります。

比較軸Webデザイナーフロントエンドエンジニア
主要業務ビジュアル設計・UI設計・コーディング(HTML/CSS)JavaScript・フレームワーク実装・API連携・状態管理
主要ツールFigma・Photoshop・Illustrator・XDVSCode・Git・Chrome DevTools・Figma(参照)
必須言語/技術HTML5・CSS3・基本的なJavaScriptJavaScript(ES6+)・TypeScript・React/Vue・Next.js・Git
平均年収(求人ベース)約423万円約532万円
求人数(2026年5月時点の体感)少なめ多め(約2倍弱)
在宅勤務率中〜高高(特に事業会社・SaaS系)
キャリアパスアートディレクター・UI/UX・フリーランステックリード・SRE・PdM・フリーランス
デザイナー経験の活かしやすさ高(CSS設計・アニメーション・UI実装で評価)

参考: doda「Webデザイナーの平均年収」(参照・2026年5月閲覧)、マイナビ転職「フロントエンドエンジニアとは?」(参照・2026年5月閲覧)。

この表で強調したいのは、需給ギャップが構造的に大きい職種へ転身することが、年収レンジを引き上げる合理的な選択になるという点です。

デザイナーがフロントエンドに転身するメリット

  • 求人レンジの拡大:未経験Webデザイナーより、デザイナー経験+コードのフロントエンドのほうが平均年収100万円以上高い
  • 在宅勤務の現実度が高い:事業会社のフロントエンドポジションはフルリモート・ハイブリッドが多数
  • デザイナー時代の経験が強みとして再評価される:CSS設計・アニメーション・デザインシステムの理解で頭ひとつ抜けられる
  • フリーランス独立時の単価が上がりやすい:デザイン×コードの両刀化はフリーランス市場で希少

転身のハードル・デメリット

  • 学習コストが大きい:JavaScript/TypeScript/フレームワークの学習に300〜700時間必要
  • ポートフォリオを作り直す必要がある:「デザイン作品集」から「動くプロダクト」への転換が前提
  • チーム開発の経験が積みにくい:Git・コードレビュー・PRの経験は在職中には積みづらい
  • コーディングテストで苦戦しやすい:数学・アルゴリズムの基礎が薄い場合に起きやすい

メリットとデメリットを並べると、「学習コストを払えるなら年収レンジが構造的に上がる」というトレードオフが見えてきます。

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ポートフォリオで2社落とされた失敗|面接で言われた本音

ここが、体験談として最も伝えたい部分です。フロントエンドエンジニアの選考で2社連続不採用を経験しました。

当時のポートフォリオは、Webデザイナー時代の制作実績(コーポレートサイト・LP・バナー)が中心で、「コードを書ける証拠」がほぼ含まれていませんでした。何が足りなかったのかを、フィードバックの原文ごと整理します。

1社目:書類選考で落ちた理由

1社目(事業会社・自社サービス開発)に応募したときのポートフォリオは、デザイナー時代の制作実績PDF+GitHubのToDoアプリ1本という構成でした。書類選考の段階で「コードのアウトプットが薄い」という理由で不採用です。

エージェント経由で聞いたフィードバックは次のとおりでした。

「デザインスキルは魅力的ですが、自社プロダクトの開発で求められるJavaScript/TypeScriptでの実装力・状態管理の理解度が、提出物からは判断できませんでした。チュートリアル写経ではなく、自分で設計した個人プロダクトのコードを見たいです。」

要は「ToDoアプリ程度ではフロントエンドエンジニアの選考土俵に乗らない」というメッセージでした。

2社目:技術面接で落ちた理由

2社目(受託開発系)は書類選考を通過しましたが、技術面接で落ちました。「Reactのコンポーネント設計の判断基準は?」「propsとstateの使い分けは?」「useEffectの依存配列の役割は?」と問われ、公式チュートリアルで読んだ表面的な答えしか返せなかったのが敗因です。

面接後のフィードバックでも、次のように言われました。

「JavaScriptの基礎は問題ありませんが、Reactの実装経験が浅く、業務でコードレビューに耐えられるレベルではない印象でした。半年〜1年、実プロジェクトでReactを書いてから再応募してください。」

このフィードバックを受けて、戦略を根本から組み直しました

3社目:個人プロダクト1本で内定を取った戦略

不採用が2社続いた時点で、ポートフォリオを次のように作り直しました。「実装力を可視化する設計」に振り切ったのがポイントです。

  1. 個人プロダクト1本を完成させる(Next.js+TypeScript+Tailwind+Supabaseで、デザイナー向けコンポーネントカタログを設計・実装・デプロイ)
  2. GitHubの履歴を整える(1コミット1機能・PR単位で意図を書く・README/CONTRIBUTING.mdを整備)
  3. 「なぜこの設計にしたか」を技術ブログ3本にまとめる(設計の判断軸・状態管理の選択理由・パフォーマンス改善の数値変化)
  4. デザイナー時代の経験を強みとして再構成する(Figmaのデザインシステム経験を、コンポーネント設計の思想と接続して説明)

このポートフォリオで3社目(自社サービス開発の事業会社)に応募し、書類選考通過→技術面接→最終面接で内定。年収430万円のオファーを獲得しました。

振り返ると、1社目と2社目で落ちたのは「実装力の総量」ではなく「実装力を可視化する設計」でした。同じ700時間でも、ToDoアプリ10本よりコンセプトを設計した個人プロダクト1本のほうが、選考通過率は明らかに高いという実感です。これは複数のエージェント面談でも繰り返し言われた共通見解でした。

デザイナーからフロントエンドエンジニアへの転職7ステップ

体験を一般化して、Webデザイナーがフロントエンドエンジニアに転身するための実行手順を7ステップに整理します。先に全体像を示します。

  1. JavaScript基礎を150〜200時間で固める
  2. Vanilla JSで小規模プロダクトを3〜5本作る
  3. TypeScript+React/Vueを300時間で習得する
  4. 個人プロダクトを1本仕上げる
  5. GitHubの履歴を整える
  6. 転職エージェントを3社並行登録する
  7. 応募〜技術面接〜内定まで進める

ステップ1〜3:基礎学習フェーズ(合計約500時間)

JavaScriptは「文法は理解できても、自分で書けない」状態が一番つまずきやすいポイントです。Progateで一周→MDNで言語仕様を確認→Vanilla JSで小規模アプリを3〜5本、という順序が合っていました。

TypeScriptは「Reactと一緒に学ぶ」のが効率的です。型をつける意味は、書いて初めてわかります。

ステップ4〜5:個人プロダクトとGitHub整備(合計約200時間)

ここがポートフォリオの肝です。チュートリアル写経ではなく、自分で「何を解決するアプリか」を設計してからコードを書き始めることが、選考時のアピール力に直結します。

デザイナーの強みを活かすなら、「デザイナー向けのツール」(カラーパレット管理・コンポーネントカタログ・Figmaプラグイン等)がテーマとして使いやすいです。デザインの審美眼とコードを同時に見せられるのが利点になります。

ステップ6〜7:転職エージェントと選考フェーズ

3社並行登録には、求人母数・年収交渉の比較・アドバイザーの質の見極めという3つの目的があります。今回はIT特化型(TechGo)・総合型(doda)・ハイクラス型(JAC)の組合せで動きました。

最終的に内定獲得まで導いてくれたのは、IT特化型のエージェントでした。デザイナー出身者の強みを「コーダー求人」に当てはめず、ジュニアフロントエンド求人へ正しくマッチングしてくれたのが大きかったです。

デザイナー→エンジニア転身では、求人レンジと年収交渉の解像度がエージェントで変わります。TechGoは元エンジニアアドバイザー約8割で、職種転換の強みを活かした提案が期待できます。

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エンジニア特化型としては、レバテックキャリアも併用候補になります。求人母数が大きく、年収レンジ500万円超のエンジニア求人を網羅的に見たいときに有効です(TechGoの評判はどう?Web系エンジニア・デザイナーの転職に向いてるか検証でエージェント比較を整理しています)。

デザイナーがエンジニア転身で陥る5つの落とし穴

転身を試みた友人・元同僚の事例も合わせて整理すると、つまずくポイントは5つに収束します。先に陥りやすい順で並べます。

落とし穴1:JavaScriptを「読める」状態で止めてしまう

最大の落とし穴です。「公式チュートリアルは読めたから書ける」と錯覚しがちですが、面接で「propsとstateの違いは?」に答えられなければ、その時点で実装経験は不足と判定されます

抜け出す唯一の道は、自分で1本以上、ゼロから設計したプロダクトを書くこと。これでJavaScriptが「使える」状態に到達します。

落とし穴2:ポートフォリオがデザイナー時代の延長になる

デザイナー時代の制作実績PDF+ToDoアプリ1本という構成では、フロントエンドエンジニアの選考土俵に乗りません。2社で落ちた直接の原因がこれでした。動くプロダクトのコードを主役に据える必要があります。

落とし穴3:在職中の学習時間を確保できない

700時間の自己学習を在職中に確保するのは、現実的に厳しい人が多いです。週10〜12時間ペースで1年半が実測値でした。これより短期で達成しようとすると、家庭・健康への負荷が一気に上がります

落とし穴4:エージェントを1社しか使わない

失敗パターンの多くが、総合型エージェント1社のみで動いてしまうケースです。総合型はIT求人の解像度が低く、デザイナー出身者の強みを「コーダー求人」に当てはめがちです。IT特化型エージェントを必ず1社入れることが、年収レンジを引き上げるうえで最重要になります。

落とし穴5:「未経験OK」の求人だけを見てしまう

「未経験OK」と書かれた求人の多くは、年収レンジ250〜350万円の制作会社コーダー求人です。デザイナー5年の経験者が応募すべきは、「JavaScript経験者・実務経験不問」と書かれた事業会社のジュニアフロントエンド求人。経験要件の書き方を読み解くことが、年収レンジを上げる前提条件です。

公的データで見るフロントエンドエンジニア市場

体験談だけでなく、公的データの裏付けも整理します。個人の事例と公的統計の方向が一致していることを確認しておくと、判断の精度が上がります。

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」では、情報処理・通信技術者の所定内給与額・年間賞与額が公開されています(参照・2026年5月閲覧)。「フロントエンドエンジニア」単独の区分はありませんが、近接職種の情報処理・通信技術者全体は、30代前半の年収中央値が約450〜500万円帯に集中しています。

経済産業省「IT人材需給に関する調査」

前述のとおり、経済産業省は「IT人材の需給ギャップが2030年に最大79万人」と試算しています(参照・2026年5月閲覧)。フロントエンド・UI/UXは特に需給ギャップが構造的に拡大する領域で、転身者の市場価値が上がる方向性が公的データから読み取れます。

IPA「DX白書」

情報処理推進機構(IPA)「DX白書」では、IT人材の職種別年収分布が整理されています(参照・2026年5月閲覧)。Webデザイナー単独より、フロントエンドエンジニア・UI/UXデザイナーといった隣接職種のほうが年収中央値が高い傾向が示されています。

国税庁「民間給与実態統計調査」

国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」では、給与所得者全体の平均給与は約460万円とされています(参照・2026年5月閲覧)。Webデザイナー平均(約423万円)より、フロントエンドエンジニア平均(約532万円)のほうが、全給与所得者平均との比較で上位のレンジに位置しています。

総務省「労働力調査」

総務省「労働力調査」では、雇用形態別の処遇差・産業別の就業者数が継続的に整理されています(参照・2026年5月閲覧)。情報通信業の正規雇用者数は微増傾向で、Web/IT分野の労働市場が継続的に拡大していることが裏付けられます。

デザイナー→エンジニア転職に関するFAQ

転身を検討する人から頻繁に聞かれる質問を、実体験ベースで整理します。

Q1:デザイナーからフロントエンドエンジニアへの転職に、何年かかりますか?

学習開始から内定獲得まで、実例では約1年半(在職中の自己学習)でした。週10〜12時間ペースで合計約700時間が実測値です。短期集中で1年・じっくり進めて2年、というレンジが現実的でしょう。

Q2:JavaScriptが全くわからない状態からでも転身できますか?

可能です。ただし最低500時間以上の自己学習を見込んでください。Progate→MDN→Vanilla JSで小プロダクト3本→React→個人開発、という順序で約700時間積み上げるのが現実的なルートです。

Q3:ポートフォリオはデザイナー時代の作品を使ってよいですか?

使ってよいですが、それ「だけ」では落ちます。2社で落ちた直接の原因がこれでした。デザイナー時代の作品集+フロントエンドの個人プロダクト1本(Next.js/React/TypeScriptでデプロイ済)をセットで提出することが、選考通過の最低条件です。

Q4:年収はどれくらい上がりますか?

ポジションと経験で変動しますが、年収+50万〜+150万円程度がボリュームゾーンです。実例では330万円→430万円で約100万円アップ、3年目には500万円超に到達しました。

Q5:スクールに通うべきですか?

必須ではありません。独学+オンライン教材(Udemy・Progate・MDN・公式ドキュメント)のみでも転身できます。スクールを使う場合は、現役エンジニアからのコードレビューが受けられる環境かが選定基準です。読書とチュートリアル写経だけで終わるスクールは、選考通過に直結しません。

Q6:デザイナー経験は本当に強みになりますか?

なります。ただし「JavaScriptが書ける」ことが前提です。実例では3社目の面接でデザインシステム・CSS設計・Figmaのコンポーネント設計の経験が評価され、内定につながりました。ピクセル単位の実装精度とアニメーション・CSS設計で頭ひとつ抜けられる可能性があります。

Q7:30代からの転身でも遅くないですか?

遅くありません。実例でも30歳での転身でした。30代未経験のエンジニア転職は20代より難易度が上がるのは事実ですが、デザイナー5年の経験者なら「未経験」ではなく「職種転換」として評価される求人が多数あります(30代の進め方は30代未経験のWebデザイナー転職リアル|3つの判断軸で整理しています)。

Q8:転職エージェントは何社使うべきですか?

3社並行登録が王道です。IT/Web特化型1社+総合型1社+ハイクラス型1社の組合せが、求人の網羅性と年収交渉の比較で機能します。特化型を1社入れるかどうかで、紹介求人の質に明確な差が出ます。

まとめ|デザイナーからエンジニア転身は「実装の可視化」が全て

ここまで、Webデザイナーからフロントエンドエンジニアへの転身を実体験ベースで整理しました。要点を再掲します。

この記事のまとめ
  • 制作会社Webデザイナー5年→事業会社フロントエンドエンジニアへの転身は十分に現実的。年収+100万円が現実的なレンジ
  • 学習時間は実測約700時間(JavaScript基礎・Vanilla JS実装・React/TypeScript)
  • 2社で落ちた経験から学んだのは、「実装力の総量より実装力を可視化する設計」の重要性
  • 個人プロダクト1本(Next.js/React/TypeScript・DB連携・認証込み・デプロイ済)が選考通過の最低条件
  • 転職エージェントはIT特化型を必ず1社入れる。総合型1社だけでは年収レンジを引き上げにくい
  • デザイナー時代の経験(CSS設計・アニメーション・Figmaのコンポーネント設計)は、JavaScriptが書ける前提で「強み」として再評価される

転身で一番苦しいのは、「成果が出るまでの時間が長い」ことだと思います。実例でも、JavaScript学習開始から内定まで1年半かかりました。

ただ、その期間を抜けた先には、求人レンジが構造的に+100万円シフトする世界があります。迷っている時間が長くなる前に、JavaScriptの一行目を書き始めること。それが、最も早く年収レンジを上げる現実的な選択肢です。

デザイナー→エンジニア転身を本気で考えるなら、IT特化型エージェントで求人レンジと年収交渉の解像度を上げるのが近道です。TechGoは元エンジニアアドバイザー約8割で、職種転換の強みを活かした提案が期待できます。

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※本記事は2026年5月時点の公開情報および個人の経験に基づく整理です。年収・学習時間・転身難易度に関する記述は概算・個人事例であり、すべての方に同様の結果をお約束するものではありません。各転職エージェントの求人数・年収アップ率・対応条件等は変動するため、最新情報は各社公式サイトでご確認ください。個別具体的なキャリア相談は、転職エージェント・キャリアコンサルタント等の専門家へご相談ください。

この記事の著者

Murata|Webクリエイター転職ナビ運営者

Webデザイナーからフロントエンドエンジニアに転身して3年目。制作会社5年→事業会社3年→フリーランス1年と、3つの働き方を経験。Webクリエイター転職ナビ(1webcreator.com)で、現場の数字とリアルな失敗談をもとに、Web系クリエイターの転職判断軸を発信しています。

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