Webデザインの副業は「パソコン1台・在宅でできて未経験でも始めやすい」とよく紹介されます。入口のハードルが低いこと自体は確かに事実です。
ただ、入口が低いことと「ちゃんと稼げること」は別問題です。副業で挫折する人の多くは、スキル不足ではなく最初の案件の取り方・値付け・続け方でつまずきます。この記事では、学習から初案件、そして時給換算500円から3,000円まで単価を上げていく道筋までを、失敗例も含めて順番に整理します。
Webデザイナー副業の始め方は、未経験ならバナー制作から入るのが現実的。クラウドソーシング→スキルマーケット→紹介の3経路で案件を取り、時給500円→3,000円へ単価を上げます。月5万円の逆算や確定申告ラインまで整理します。
この記事でわかること
- 未経験はどの案件から始めるべきか(最初の入口はバナー制作が現実的)
- 副業案件をどこで取るか(クラウドソーシング→スキルマーケット→紹介の3経路)
- 月5万円を案件タイプと本数で逆算する考え方と、本業との時間配分
- 時給換算500円→3,000円まで上げた単価成長ロードマップ(4フェーズ)
- 最初に安く受けて消耗した値付けの失敗と、その回避の型
- 副業所得が年20万円を超えたときの確定申告ライン
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Webデザイナーの副業は未経験から始められる?まず何から?
先に結論を書くと、未経験からでも始められます。ただし「いきなりクラウドソーシングに登録して応募」ではありません。最初にやるべきは、副業として現実的に受けられる案件の種類を知り、その範囲のスキルだけを先に身につけることです。
副業のWebデザイン案件は、難易度と単価で次のように分かれます。
| 案件タイプ | 難易度 | 単価の目安 | 本業との両立しやすさ |
|---|---|---|---|
| バナー制作 | やさしい | 3,000〜10,000円/本 | ◎(数時間で完結) |
| ロゴ・アイコン | やさしい | 5,000〜40,000円/件 | ◎ |
| LP(ランディングページ)デザイン | ふつう | 3万〜10万円/件 | ○ |
| WordPressサイト制作 | やや高い | 5万〜30万円/件 | △(工数大) |
| サイト改修・運用 | ふつう | 月1万〜5万円 | ○(継続収入) |
未経験の最初の入口は、本業後の1〜2時間で完成できるバナー制作が現実的です。中小企業庁が公開するフリーランス・副業の実態整理(中小企業庁・2026年6月閲覧)でも、副業は小さく始めて徐々に拡大する人が多い傾向が示されています。
いきなり大きなサイト制作を狙うと、納期と品質の両方で行き詰まりやすいのが実情です。小さく完結する案件で「納品まで終わらせる経験」を積むほうが、結果的に伸びは速くなります。
まず学ぶ範囲も、案件タイプに合わせて絞ります。バナー・ロゴ中心なら、デザインツール(Figma・Photoshopなど)の基本操作とレイアウト・配色・フォントの基礎で十分スタートできます。コーディング(HTML・CSS)は必須ではありませんが、後述するとおり単価を上げる段階で武器になります。
Webデザイナーという仕事の全体像や、独学・スクールの学習ルートそのものから知りたい人は、未経験からWebデザイナーになる方法でルート別に整理しています。本記事は「副業として稼ぐ」部分に絞って解説します。
Webデザイン副業を始める5つのステップ(未経験ロードマップ)
未経験から副業を始めるまでの流れは、①絞る→②学ぶ→③作る→④取る→⑤伸ばすの5ステップで進めるのが現実的です。順を追って整理します。
- 受ける案件タイプを1つに絞る
- その案件に必要なスキルだけ学ぶ
- ポートフォリオ用に作品を1〜2点作る
- クラウドソーシングで初案件を取る
- 継続・単価アップに進む
各ステップの中身は、次のとおりです。最初は範囲を広げないことが成功率を左右します。
| ステップ | やること | つまずき防止のコツ |
|---|---|---|
| 1 絞る | バナー制作など数時間で完結するものに集中 | 「全部やろう」としない |
| 2 学ぶ | Figmaの基本+デザイン基礎で1枚作れる状態を作る | 必要な範囲だけに絞る |
| 3 作る | 架空でよいので作品を1〜2点用意 | 「誰の・どんな課題を解決したか」を言葉で説明できる形に |
| 4 取る | 相場を確認して応募し、まず1件を納品まで完了 | 安く買い叩かれない条件設定(後述) |
| 5 伸ばす | リピート・単価交渉・コーディング習得で時給を上げる | 単価は「我慢」では上がらない |
ここで一番つまずきやすいのが、ステップ4の「初案件」です。スキルがそこそこ身についても、応募で通らない・通っても安く買い叩かれる、という壁にぶつかります。
発注者が未経験の応募で見ているのは「過去の実績数」よりも「この人に頼んで完成させてもらえそうか」という安心感です。だからこそ、架空でもいいので完成した作品を見せられるかどうかが効いてきます。
なお、副業を始める前に本業の就業規則で副業が許可されているかを事前に確認しておきましょう。厚生労働省の副業・兼業ガイドライン(厚生労働省・2026年6月閲覧)では、副業・兼業を認める方向での環境整備が進む一方、企業ごとに就業規則の定めが異なる点に注意が必要とされています。
未経験のWebデザイン副業の案件はどこで取る?
未経験の最初の案件は、クラウドソーシングサービスで取るのが王道です。登録無料で、初心者向けのバナー・ロゴ案件が常に多数掲載されています。代表的なのはクラウドワークス・ランサーズ・ココナラといったサービスです。
案件の取り方には、大きく次の3経路があります。
| 経路 | 向いている段階 | 特徴 |
|---|---|---|
| クラウドソーシング | 初案件〜実績作り | 案件量が多い・競争も激しい・手数料がかかる |
| スキルマーケット(出品型) | 実績が少しできた段階 | 自分から営業せず待てる・価格を自分で設定できる |
| 知人・SNSからの紹介 | 実績ができた後 | 単価が高くリピートになりやすい・最初は数が出にくい |
おすすめの進め方は、まずクラウドソーシングで実績を作ることです。ポートフォリオが整ってきた段階でスキルマーケット出品とSNS発信を併用すると、徐々に「向こうから声がかかる」状態に近づきます。
クラウドソーシングだけに依存すると、価格競争に巻き込まれて時給が下がりやすくなります。早い段階で経路を増やすのが、単価を守るコツです。
応募文では、テンプレートのコピペではなく「相手の案件のどこを読んで、自分が何を提供できるか」を3〜4行で具体的に書くだけで通過率が変わります。
副業から将来的に本業転職や年収アップまで視野に入れる場合は、30代未経験のWebデザイナー転職のリアルもあわせて読むと、副業実績を転職でどう活かすかが見えてきます。
未経験Webデザイン副業で月5万円を稼ぐには?
月5万円という最初の目標は、案件タイプと本数で逆算すると見通しが立ちます。次の組み合わせがひとつの目安です。
| 組み合わせ例 | 単価 | 月の本数 | 合計 |
|---|---|---|---|
| バナー制作のみ | 5,000円 | 10本 | 5万円 |
| バナー+ロゴ混在 | 平均8,000円 | 6〜7件 | 約5万円 |
| LP1件+バナー数本 | LP3万+バナー1万×2 | 3件 | 5万円 |
そもそもWeb系の仕事の需要が当面続くと見込まれている点も、副業を始める後押しになります。経済産業省のIT人材需給に関する調査(経済産業省・2026年6月閲覧)でも、IT人材は中長期的に不足が続くと推計されており、Web制作の小さな案件まで含めると依頼の母数は当面しぼまないと考えられます。
数字だけ見ると「バナー10本」は現実的に思えます。ただし、ここに本業との時間配分という制約が入ります。バナー1本に2〜3時間かかるとして、月10本なら20〜30時間。平日に毎日1時間、週末にまとめて、というペースが目安です。
最初は1本に5〜6時間かかることもあります。いきなり月5万円を狙うより「まず月1万円」から刻むほうが挫折しません。
ここで多くの記事が触れないのが値付けです。月5万円に届かない人の典型は、相場より大幅に安い価格で受け続け、件数をこなしても時間あたりの収入が増えないパターンです。次の章で、値付けの失敗と、そこから単価を上げた具体的な道筋を共有します。
時給500円から3,000円へ:単価を上げる成長ロードマップ
ここが本記事でいちばん伝えたい部分です。多くの解説は「バナーは5,000〜10,000円」と相場を提示して終わりますが、未経験から始めると最初はその相場すら取れません。単価がどう変わっていくかを、4フェーズで時系列にまとめます。
- フェーズ1:初案件で消耗(時給換算 約500円)
- フェーズ2:相場で受けて慣れる(時給換算 約1,000円)
- フェーズ3:作業を絞って速くする(時給換算 約2,000円)
- フェーズ4:コーディングを足して単価を上げる(時給換算 約3,000円)
フェーズ1:初案件で消耗(時給換算 約500円)
最初に多いのは、クラウドソーシングのバナー1本3,000円の案件です。実績が欲しくて相場より安く飛びつくと、修正対応が予想以上に増え、結局6時間ほどかかって時給換算で約500円まで落ちます。
「実績のため」と割り切ったつもりでも、安すぎる価格は発注者からの要求も増えやすく、疲弊だけが残ります。安く受けること自体が問題なのではなく、「修正回数の上限」を決めずに安く受けたのが失敗です。
フェーズ2:相場で受けて慣れる(時給換算 約1,000円)
3〜4件納品して実績ができた段階で、バナーを相場どおり5,000〜8,000円で受けるようにします。あわせて、提案時に「修正は2回まで」と最初に明記します。
これだけで時給換算は倍になります。発注者にとっても、最初に条件が明確なほうが安心して頼めるという反応が返ってきやすい段階です。
フェーズ3:作業を絞って速くする(時給換算 約2,000円)
受ける案件をバナーとLP内パーツに絞り、よく使うレイアウトやあしらいを自分のテンプレートとして整理します。毎回ゼロから作らなくなることで制作時間が短縮され、同じ単価でも時給換算が上がります。
ポイントは「単価を上げる」前に「時間を縮める」こと。受注の幅を広げるより、得意な型を磨くほうが時給は早く伸びます。
フェーズ4:コーディングを足して単価を上げる(時給換算 約3,000円)
デザインだけでなく、簡単なHTML・CSSの実装まで対応できるようにすると、「デザイン+コーディング」をまとめて受けられます。1件あたりの単価が大きく上がる段階です。
Web制作で「実装まで触れる人材」が評価されやすいのは、IPA(情報処理推進機構)が公開する人材像の整理(IPA・2026年6月閲覧)でも、Web領域で情報設計や実装を含む幅広いスキルが評価対象として挙げられていることと整合します。
この4フェーズを通して言えるのは、単価は「我慢して安く受け続ける」では上がらないということです。「条件設定 → 効率化 → スキルの幅」の3つで段階的に上げていきます。
単価アップの土台になるデザイン+コーディングのスキルを短期間で身につけたいなら、独学に詰まったときにスクールで質問環境を確保するのも選択肢です。以下は未経験から学べるスクールの一例です。
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副業デザイナーが続けるためのポイント(単価交渉・継続化)
単発で終わらせず、副業を継続収入にするためのポイントは3つに絞れます。各H2の結論を先に言うと、続く人は「条件を先に決め・リピートを取り・幅を広げる」を回しています。
- 最初の提案で条件を明確にする
- 同じ発注者からのリピートを狙う
- 少しずつスキルの幅を広げる
1. 最初の提案で条件を明確にする:「修正は◯回まで」「追加は別途見積もり」を最初に伝えます。これは値下げ要求への防波堤になります。
2. 同じ発注者からのリピートを狙う:新規開拓は時間がかかるので、1件納品したら「次もあればぜひ」と一言添えます。継続案件は月1〜5万円の安定収入になります。
3. 少しずつスキルの幅を広げる:デザインのみ → コーディング追加 → サイト運用、と提供範囲を増やすと、単価交渉の根拠ができます。
単価交渉というと身構えがちですが、実際には「値上げを口で要求する」より「対応範囲を広げて見積もりを更新する」ほうが通りやすいものです。発注者にとっても、頼める範囲が広い人は探す手間が減るので歓迎されます。
副業で実績を積んだあとに本業の年収を見直したくなったら、会社員とフリーランスの収入差を整理したWebデザイナーの平均年収(会社員・フリーランス比較)も参考になります。
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Webデザイン副業の確定申告・税金はどうなる?
副業の収入が増えてくると避けて通れないのが税金です。会社員が給与以外の所得(副業の利益)が一定額を超える場合、確定申告が必要になります。
国税庁の案内(国税庁・2026年6月閲覧)によると、給与所得者で給与以外の所得金額の合計が年間20万円を超える場合などには確定申告が必要とされています。ここでいう「所得」は売上そのものではなく、売上から必要経費(ツール代・通信費など)を差し引いた金額です。
月の副業収入が数千円のうちは気にしなくてよいことが多いです。ただし月5万円が見えてきたら、早めに収支を記録しておくと申告時に慌てません。
経費になりうるものを最初から領収書・履歴で残しておくと、年間の所得計算が楽になります。副業を「事業として育てる」なら、収支管理は早いほど有利です。
まとめ:未経験のWebデザイナー副業は「順番」で決まる
最後に、本記事の要点を整理します。入口が低いぶん、続けて伸ばせるかは「順番」で決まります。
- 未経験はバナー制作など数時間で完結する案件から始め、必要なスキルだけ先に学ぶ
- 案件はまずクラウドソーシングで実績を作り、早めにスキルマーケット・紹介に経路を増やす
- 月5万円は「バナー5,000円×10本」などで逆算できるが、本業との時間配分を踏まえて月1万円から刻む
- 単価は我慢では上がらない。①条件設定→②効率化→③スキルの幅で時給500円→3,000円へ段階的に上げる
- 最初の値付けの失敗は「安さ」より「条件の曖昧さ」が原因。先に範囲を決めれば安くても消耗しにくい
- 副業所得が年20万円を超えそうなら、確定申告を見据えて早めに収支を記録する
小さく始めて、条件と効率とスキルを順に積み上げていけば、未経験からでも副業を安定した収入に育てていけます。学習でつまずいたら、質問できる環境を確保するのも有効な一手です。
独学に行き詰まる前に、未経験から学べるスクールの内容を一度確認しておくと、最短ルートが見えやすくなります。
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よくある質問
Webデザイン副業を始める前に多い質問を、6問にまとめて整理します。
Q1:未経験でも本当にWebデザインの副業で稼げますか?
すぐに大きく稼げるわけではありませんが、バナー制作など小さな案件から始めれば未経験でも実績は作れます。最初の数件は単価より「納品まで完了させる経験」を優先し、徐々に単価を上げていくのが現実的です。
Q2:月5万円を稼ぐにはどれくらいの時間がかかりますか?
案件と慣れ次第ですが、バナー1本に2〜3時間として月10本なら20〜30時間が目安です。最初は1本に時間がかかるため、まず月1万円から始めて段階的に増やすほうが挫折しにくいでしょう。
Q3:初案件はどこで取るのがおすすめですか?
クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングが王道です。登録無料で初心者向け案件が多く、まず1件納品して実績を作るのに向いています。実績ができたらスキルマーケットや紹介に経路を広げると単価が上がりやすくなります。
Q4:初案件の値段はどう決めればいいですか?
相場を確認したうえで決めますが、安く受けること自体より「修正回数の上限を決めずに受けること」が失敗の原因になりやすいです。提案時に「修正は◯回まで」と明記すれば、安めの単価でも消耗を防げます。
Q5:コーディングも覚えないと副業はできませんか?
バナー・ロゴ中心ならデザインスキルだけでも始められます。ただしHTML・CSSの実装まで対応できると「デザイン+コーディング」をまとめて受けられ、単価が上がりやすくなります。単価を伸ばす段階で習得するのがおすすめです。
Q6:副業の収入は確定申告が必要ですか?
会社員で給与以外の所得(売上から経費を引いた額)が年間20万円を超える場合などは確定申告が必要とされています。詳細は国税庁の案内を確認し、月5万円が見えてきたら早めに収支を記録しておくと安心です。
※本記事は公開情報と一般的な整理をもとにした内容です。最終的なサービスや学習ルート、税務上の判断は、各サービスの公式情報や国税庁の最新情報をご確認のうえご判断ください。
この記事の運営者について
Murata。制作会社でWebデザイナーを5年、事業会社でフロントエンドエンジニアを3年経験し、その後フリーランスとしても活動。3つの働き方を経た視点と公的統計をもとに、Webクリエイターの副業・転職・キャリアに関する情報を整理しています。